第三章 瑞霊神書を解く鍵

前説
徳間書店に"龍宮神示"の件で抗議文を送り付けたら、編集者より誠意ある返答をいただき 第二版印刷の際に問題箇所を訂正する旨約束を取り付けることが出来た。又、我々の情報 活動に対してもその意図に対し理解と助力を申し入れてくださったことをここに報告しておく 。巷では再び王仁三郎を見直すブーム状態で商業主義に従い、まやかしい書きっぷりの王 仁本が出ている様子だから読者等は身を入れて審神することが肝要である。

王仁三郎の変化球"裏の神諭"
 "裏の神諭"は"表の神諭"すなわち"大本神諭"を縦糸とした時の横糸として明治31年か ら開祖昇天までに聖師が示されたもの全体と考えて良い。"神霊界"誌上に発表される以前 に書かれたものは567冊分が当時の幹部によって焼かれてしまったらしいのだが、それは 神意にかなわなかったものとし対象外とする。裏の筆・裏の神諭・筆のしづ九・いろは歌・弥 仙山・かぞへうた・たまの礎・道の大本・在学中妻の書状を見てよめる・大正六年十月一日 ・大本神歌・いろは神歌・大本道歌・筆廼随々等が"神霊界"発表分である。他に別途"聖教 本義""道の栞""大本教いろは道歌"としても発表されている。有名な"瑞能神歌"は大本神 歌といろは歌を合わせたものである。その預言性はあえて言うまでもないが、良く読んでみ ると今だ成就していない部分がまだかなりあることに気づく。そして、聖師が未発表扱いで 秘かに某氏に渡したとされる"続瑞能神歌"が最近明るみに出た。"続瑞能神歌"は大本関 係者の間では偽書扱いされているが、内容的に先の成就していない本篇と重なる点、大本 内部で未だに解明されていない「一厘の秘密と仕組み」について示唆をあたえる点が気に なるため研究の余地がある。また、"神霊界"誌随所で聖師が指摘された皇道経済論につ いてもこの範疇としたい。なぜなら天産自給や土地為本政策は今後予見される日本での混 乱を見事に立て直せると思われる優れた聖師独特の理論だからである。

史上最強"霊界物語"に秘められた神秘の鍵
 大本二大教典の一つであり、入手も様々に出来る。聖師は"神霊界"と"霊界物語"に言う べき事を皆書いたから、この二書が聖師の血肉であり、恋しくなったらこれらを読むようにと 信徒を諭されたと言われている。それだけ重要なものであるが"霊界物語"を一部分だけ読 み我伝引水して解釈し満足する者が多いのはちょっと寂しい。81巻83冊全体をしっかり把 握し本質を掴むことも大切である。それは王仁三郎が成し遂げようとする世界改造の大設 計図なのだ。瑞霊神書の柱であるから後でゆっくり論じていこうと思う。

未完の残り39巻を追う
 さて、"霊界物語"は本来120巻出る予定であったと記されている。つまり39巻足らない のである。だが、聖師は確かに続きを残そうとしておられた記録があり、そうしなければ神 様に無礼になるとまで考えておられたのである。だとすればなんらかの形でどこかに残って いるかもしれないと筆者は考え、未完の大作の続編を追いかけようと試みた。当然、真偽を 明らかにするには"霊界物語"が解っていなければならない。ちなみに残数と同じ物語の第 39巻総説に合い鍵が隠されていることに気がついた。なんとも示唆深い。そして目前に現 れたのが錦の宮に伝わる三大神書すなわち"天言鏡""神言書""龍宮神示"である。錦の 宮と三大神書のゆかりについては1月9日発売の"ムー"誌の特集記事に詳しく出ているの で参照されたい。"天言鏡"は晩年の聖師が霊体を飛ばして仕組み、辻正道氏に記させた ものに間違い無い。検証論考もいずれ書くつもりだ。"神言書"と"龍宮神示"については聖 師の直接関与は明かでないが、内容と伝達神と間接関与から瑞霊神書とさせていただく。 例えば"龍宮神示"の正統性は、これを伝えた三雲龍三氏とその本霊である雲龍命が"天 言鏡"の記述と仕組みで保証されるので演繹的に検証出来るのだ。これらは大本の一厘に 関わる経綸上で出て来るものであり、歴史的にそれに関知しなかった大本の関係者が認め なくても当然至極である。要は、解るべき者が解れば全体は総括されるということである。 尚、"天言鏡"は活字分だけ心交社から"出口王仁三郎 救世の賦"と題して出版されている。
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