出口聖師と"瑞霊神書"の全貌
                               神原茂理著

第一章 総説

 「世代を越えて心をつなぐ日本があります。」とは毎日放送系のテレビ番組"まんが日本昔 ばなし"に関するキャッチコピー。なにを隠そう私はこの番組を20年間こよなく愛好し続けて 見ている者の一人である。汗を流して大地を耕し、日々を精いっぱい正直に生き、豊かな自 然の恵みに感謝し手をあわせる主人公達。そこには古来から脈脈と流れている素朴な"神 国日本"の風景がまったくあたりまえに描かれているのだ。それが長らく多くのファンを魅了 する訳ではなかろうか?よけいな理屈など必要無い、心のふるさとがそこにはある。

 一方、混迷の度をますます深める世相はとどまる所を知らず破滅へ向かってひた走る。い づれ日本は、そう遠くない未来に徹底的な苦難を浴びることになるだろう。それは歴史の必 然である。しかし、決して日本は滅ばない。瀕死の日本を不死鳥のごとく蘇らせる唯一の方 法こそ、この"ふるさと神国日本"を愛する心の道にある。私はこれを産土神道と名づけたい 。そしてそれがやがては世界を救う。出口聖師が復古せしめむとされている神の道はまさに この産土神道ではないかと思う。
 現実世界においては出口聖師は既に故人である。だから師は今の我々にとって現実的な 救世主とは言えないと誰もが思っているようだ。しかし、出口聖師の聖霊は神霊界において 瑞霊の神格を十二分に発揮し今も着々と救世経綸の準備を進めているのである。ここのとこ ろを取り違えてはならない。肉体は滅んでも魂は生きているのだ。信じようと信じまいと勝手 であるが、出口聖師がその霊身を我々の前に現す時が必ず再びやって来るだろう。私がそ れを確信する根拠こそ、これから筆に表そうと思う内容である。そして同時に、出口聖師が 推進している世界改造事業の拠り所がここにある事を明示し、産土神道復活の先鞭を付け ることが本稿の目的である。

 ところで巷では"日月神示"が流行しているようだが、"日月神示"を読み解くにおいて以下 のことを納得出来なければ片手落ちである。すなわち大本神示には二つの流れがあり、一 方は"大本神諭"に始まる厳の系譜の神示類、もう一方は"霊界物語"に代表される瑞の系 譜の神示類である。今回これらをそれぞれ"厳霊神書""瑞霊神書"と分類しよう。"日月神示 "はもちろん"厳霊神書"の艮(トドメ)の神示群である。従って、厳・瑞両神書を把握出来て はじめて"日月神示"も本当に読み解くことが出来るのである。更に詳しく提示すればここで は、

 "厳霊神書"として
    大本神諭(表の神諭)
    伊都能売神諭(全7巻)
    日月神示(全23巻)
    日月聖典(全7巻)
    梅の実
の五書を、
 "瑞霊神書"として
    裏の神諭
    霊界物語(全83冊)
    天言鏡(全10巻)
    神言書
    竜宮神示
の五書をまず挙げたい。
 
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